「もうゲームの世界に入り込むのは止めて、現実社会の女性と恋愛をしてみたいんです!」 そう涙ながらに話し始めたTさん(仮名)。
彼は今年25歳。
あと1ヶ月で26歳になるおとなしめの男性でした。
美少女ゲームとインターネットが大好きで、給料の大半はこれらの趣味に消えてしまう程の入れ込みよう。
更に話を聞くと、今まで実際の女性と付き合った経験はゼロ。
その代わりパソコン上の美少女キャラに一年中囲まれて、自分なりに楽しい毎日を送ってきたそうです。
そんなTさんが私のもとに相談に訪れたのには、あるきっかけがありました。
それは2週間前に行った友達の結婚披露宴での出来事でした。
高校時代の親友が結婚するということで、Tさんも式を楽しみにしてました。
新郎新婦を祝福し、久しぶりの友人との再会を喜び、話も弾んで、あっという間に時間は過ぎていきました。
そして式も終わり、帰宅した後のこと・・・。
「あぁ、良い披露宴だったな〜。
」ベットに入り、今日の披露宴を何気なく振り返ってみると、急に披露宴の一場面が鮮明に蘇ってきたのです。
思い出したのは、披露宴開始直後、新郎・新婦の生い立ちから出会い、結婚までをスライドを交えて振り返るという、披露宴でよくある場面でした。
二人が生まれたばかりの写真から始まり、高校、社会人と、司会の女性が時々ユーモアを交えながら両者を紹介しています。
サッカー部だった新郎が県予選で貴重な同点ゴールを決めたことや、新婦が学園祭でリーダーシップを発揮してクラスをうまくまとめたこと。
そして新郎新婦は幸せそうに、楽しそうにそのスライドを眺めています。
そんなこの世の幸せを全て授かったような新郎新婦の顔を思い出すと、ふとこう感じたのです。
「僕にもこんな幸せな瞬間が来るのだろうか・・・?」 思い出してみると、Tさんの今までの人生の中で、好きな女性と微笑みあうという時間は一瞬たりともありませんでした。
中学時代、隣の席の女の子と仲良くなろうと一生懸命に話しかけてみたのにいつも怪訝そうな顔で見られたこと。
高校時代、思い切って告白してみたら「良い人なんだけど・・・」と中途半端に断られたこと。
そんな現実に疲れ、ふとパソコンショップで見かけた一本の美少女ゲームが人生の分岐点。
一気にハマり、気が付いた時には立派なオタクになっていました。
そういえば今日の新郎も、高校時代はTさんと同じでまったくモテるタイプではなかったのに・・・。
でも、今は到底超えられない壁が出来てしまった。
新郎が幸せいっぱいの笑顔を振りまいていた披露宴を思い出すたびに、今までの自分のモテない人生が情けなくて・・・、悔しくて・・・。
どうして僕は女の子にモテないんだろう!! Tさんはそんなモテない自分がイヤになり、どうにかしてモテようと相談にやって来たのです。
私に切実に話すTさんの目は真剣で、何とか自分を変えたいという気持ちが伝わってきました。
そんなTさんに心打たれ、私はあるアドバイスをさせていただきました。
この3ヵ月後、Tさんは小柄なかわいらしい彼女を連れて私の事務所にいらっしゃったのです。
その時の満面の笑顔は、もしかしたら親友の新婚さんよりも輝いていたかもしれま..........つづく。
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